※注意:作品を一通り観ている前提の話になります。また、レビューはあくまで個人の感想に基づくものです、ご了承ください。
今回は「マトリックス」「マトリックス リローデッド」「マトリックス レボリューションズ」のDVD・Blu-ray特典の音声解説について言及します。
その他映画等の音声解説(オーディオコメンタリー)レビュー一覧はこちらから。
収録されている音声解説
収録されている音声解説は以下の通りです。
- インムービー・エクスペリエンス解説(Blu-rayのみ)
- 哲学者による音声解説
- 映画批評家による音声解説
- キャスト・スタッフによる音声解説(「マトリックス」のBlu-rayのみ)
そしてこれらの音声解説付きのDVD・Blu-rayは主に下記の通りです。
音声解説自体初期に発売されたDVD等には収録されておらず、 哲学者や批評家たちに関してはこれら三作が公開されすべて視聴済み前提の音声解説になります。
インムービー・エクスペリエンス解説
映画本編途中に場面に応じたインタビューやメイキング映像等が観れる解説で、製作舞台裏やキャスト・製作陣の話を知ることができます。
哲学者・批評家による音声解説
哲学者・批評家による音声解説の存在意義
各DVD・Blu-rayにはすべて同じ静止画の監督ウォシャウスキー兄弟によるイントロダクションが収録されています。
内容は2003年のニューヨーク・タイムズ紙の内容を踏まえたうえで、製作関係者以外の音声解説をいれた理由・意図が述べられています。
簡単に内容に触れると、今作を気に入った方・気に入らなかった方が各々解説しそれをファンに提供しています。
これは解釈等特定の話が正しいかどうかを決めるのではなく、異なる見解を同時に示すのが目的です。
仮にこれらの音声解説に興味がでたら、このイントロダクションを先に目を通した方が良いと感じました。
哲学者・批評家の紹介と音声解説について
音声解説をしている哲学者・批評家は三部作共人選が同じで、メンバーは下記の通りです。
- 哲学者
- 映画批評家
- トッド・マッカーシー氏(”バラエティ”誌)
- デビッド・トンプソン氏(映画辞典の著者)
- ジョン・パワーズ氏(”ヴォーグ”誌)
作品の評価がそれぞれ賛否があるものの、過剰な称賛・否定はなく専門知識を活かしつつ真剣に作品に向き合っている印象を受けました。
先述の監督ウォシャウスキー兄弟によるイントロダクションにて、余裕があれば哲学者と批評家で会話させたかったとありました。もしそれが実現していたら興味深いものになったかもしれません。
キャスト・スタッフによる音声解説
他の映画のDVD・Blu-rayでもよく収録されている音声解説と同様、製作陣やキャストによるもので製作裏話や小ネタ等を知れます。
この音声解説はこのシリーズにおいて1作目の「マトリックス」のBlu-rayにのみ収録が確認できました。
参加しているメンバーは下記の通りです。
- ジョン・ゲイター氏(視覚効果を監修)
- ザック・ステーンバーグ氏(映画の編集)
- キャリー=アン=モス氏(トリニティー役)
私の評価と感想
私の評価: (3 / 5)撮影裏話等の小ネタがそれなりに多く、内容も分かりやすいです。
しかし、具体的な撮影方法や編集作業に関わった人員等少々専門的な話もあり、人によっては微妙と感じるかもしれません。
こんな人におすすめ
少々専門的なので作品が好きで製作舞台裏等を知りたい方におすすめです。
おわりに
「マトリックス」三部作が終わり、再び2021年12月17日に新作「マトリックス レザレクションズ」が公開されます。
その為復習の為に観直す方々がいたり、色々まとめて作品の説明・解釈を紹介されているサイト等もあります。
更に新作が公開されることで後付けで様々なことが判明するかもしれません。
しかし、哲学者の音声解説にて「マトリックスのいいところは監督が自分の解釈を明かさず人々に考えさせる余地を残している」とあります。
特定の解釈が腑に落ちても良いですが、様々な議論が続き話し合うのも面白いと思います。