※注意:作品を一通り観ている前提なのでネタバレが含まれています。また、レビューはあくまで個人の感想に基づくものです、ご了承ください。
今回は「ドクター・ストレンジ」のBlu-ray特典の音声解説について言及します。
その他映画等の音声解説(オーディオコメンタリー)レビュー一覧はこちらから。
収録されている音声解説
今作の音声解説はスコット・デリクソン監督です。
現在、 DVD・Blu-rayはいくつか発売されており、DVDには本編のみ収録ですが映像特典・パッケージの総合的な観点ではDVD・Blu-ray1枚ずつの2枚組セットがおススメです。
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それ以外のBlu-ray単品もAmazon等で選べますが、物によっては本編のみの海賊版などいい加減なこともあるので注意が必要です。
スコット・デリクソン(監督)の音声解説
私の評価:
今作の音声解説は公開前なので、観客や評論家の反応等情報なしで収録されています。
原作は1960年代のコミックで、時代背景とキャラクターについてや出演俳優、キャスティングの人種問題について深堀し一応非難がある前提で話しています。
また、ある程度監督自身の考えや製作意図も知れます。
小ネタ・製作裏話
音声解説にある内容を軽くピックアップして下記にまとめました。
製作裏話
- 監督の妻は看護師で、病院でのシーンの再現には力を入れている。
- 撮影地の一つのネパールで製作準備前に大地震:カトマンズの経済は観光収入に頼ってるからロケ地として続行し、地震で失業した人にエキストラやクルー等職を提供した。
- 治療中の戦闘シーン:監督はアストラル戦と呼んでおり、基のコミックのタイトルは「THE OATH」。アストラル体の戦闘はワイヤーを使ったアクション。
- 悪役候補にナイトメア:キャラクターの確立に時間がかかるので暗黒次元に寝返った魔術師カエシリウスに変更。
- スタン・リー氏のカメオ出演:シーンのアイデアは監督だが撮影はジェームズ・ガン氏、当時4つのカメオを同時に撮影。
- マントがストレンジの涙を拭うシーン:ベネディクト・カンバーバッチ氏の案
- ポストクレジットシーンでのソーとの共演はソーの監督が担当した。
配役の背景
- マッツ・ミケルセン氏:カンフー映画に近いと伝えたら快諾。
- ベネディクト・カンバーバッチ氏:配役はスケジュール上無理だったが予定を後ろ倒しにしてキャスティング、ILMだけでなく多くの会社が関わり製作した。
- レイチェル・マクアダムス氏:アストラル体のストレンジが話しかけたときのリアクション、一連のシーンが良くて配役。
今作のこだわり・監督の思考
- 単純な人物設定で複雑な筋の作品は駄作で、複雑な登場人物でシンプルなストーリーが良い。
- スーパーヒーロー誕生の物語を作る際の問題になるのが尺:幻覚のような映像が多く見続けると疲れる映像の為今作は長編にしなかった。その為登場人物にかける尺がなく、重要人物でもクレアは除外して製作。
- ナイト・ナースとなるクリスティーンがストレンジを治療、アストラル体の彼が自分の手術を見るシーン:本作の監督になるためのプレゼン用に書いたシーン。
- 予告シーンから「インセプション」の焼き直しと評価:反論として参考にしたけど公開から7年経過、面白い視覚効果の1つに過ぎない。彼も他作品を意識しており映画監督は他の作品を作興にしてお互いに影響し合う。
- 本作の意味:バルコニーのシーンで語るのが適してる。この映画は”時間””死”そういった概念の本質。”人のためにあれ”という教えがストレンジ自身と今作の核心。
- 監督的にモルドの意見は正しいが、柔軟性に欠ける。エンシェントワンやストレンジも大儀のためには掟を破ることは必要で正しい、だが道徳的ジレンマは簡単に白黒つけられるものではない。
その他設定
- ミラー次元:矛盾しないように作ってはあるが観客への説明には限度があり、今回は魔術なので混乱しない程度の情報で構わない。そうじゃないと説明だけの作品になる。
こんな人におすすめ
今作を理解する上で監督の考えが語られるので、疑問のある人や好きな人におすすめです。
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